排便後は洗浄しきれいにしておく。おしりを汚くしておくと細菌が繁殖し肛門に炎症を起こしやすくします。
清潔になり体が温まることによって血行もよくなります。
コショウやからし、アルコール類などは肛門管の粘膜を刺激します。
また、喫煙は肛門の血行を悪くしますので控えめに。
肉体的にも精神的にも疲れたり体調を崩したりするとおしりの調子が悪くなります。そのような時にはゆっくり入浴して体を休ませてください。
冷えることによって肛門の血行が悪くなり、よくありません。
毎朝短い時間で排便をすますように心がける。便秘、下痢をしないようにしましょう。
便秘していきんで出すと肛門に負担がかかりうっ血したり傷をつけることがあります。
下痢は肛門の炎症や細菌感染を起こしやすくします。
特に座った姿勢が長いと肛門を圧迫し血行を悪くしますのでときどき体操をし、血流を良くしましょう。
内服薬と肛門内に注入する坐剤があります。
内服薬は主に軟便にして痔核の腫脹を抑える目的で服用します。
坐剤は固形の坐薬と軟膏があります。いずれも痛みを抑える
鎮痛薬・麻酔薬と炎症を抑えるステロイド薬・
非ステロイド系抗炎症薬があります。
※日帰り手術は局所麻酔となります。局所麻酔とは、おしりに直接注射し
麻酔薬が作用している部位のみを除痛する麻酔の方法です。
入院手術は腰椎麻酔(下半身麻酔)となります。
その麻酔方法の違いによるメリット・デメリットにも注意が必要です。
日帰り手術 ※局所麻酔 | |
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入院手術(注射療法=ALTA) ※腰椎麻酔(下半身麻酔) | |
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入院手術(根治手術) ※腰椎麻酔(下半身麻酔) | |
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*当院は入院設備があり、専門的な知識と技術による根治手術でしっかり治すことができます。
肛門の出入り口にえんどう豆ぐらいの血栓(血のかたまり)ができて腫れた血栓性外痔核がこの治療の対象です。
急性期の腫脹で主に坐剤、内服治療で効果がない場合に行います。
脱出した痔核を肛門内に収める処置です。
脱出しっぱなしの状態が続くと脱出部位の腫脹が強くなり、痛み、出血等の症状が増してきます。急性期の状態に対して行う方法で根治治療までの一時抑えが目的です。ただし外痔核が同時に腫れている場合には挿入は困難でその押し込もうとする操作によりさらに腫脹をひどくすることがあります。
肛門の外に脱出するイボ痔に対してその内痔核を引っ張り上げ小さな輪ゴムで痔核の根部をくくる方法です。
大きく脱出するイボ痔には適応では無く示指頭大の脱出に対して用いる方法です。
1~2週間で壊死してゴム輪と共に脱落し約1か月で治療してきます。
症例の程度によっては入院治療が必要な場合がありますのでご相談ください。
入院手術では腰椎麻酔(下半身麻酔)を行います。座った状態で背中を丸め、腰のあたりから細い針で麻酔薬を注射します。
座った姿勢の方が、必要以上に麻酔薬が広がらないため安全です。
少しチクッとしますが、ほとんどの方は強い痛みを感じることはありません。
1~2分でおしりから足の指先にかけてポカポカと温かく感じたり、少しシビレたような感じがしてきます。
3分ほどでおしりの穴に力が入らなくなり、痛みを感じなくなります。
一般的には麻酔の持続時間は2~3時間くらいです。
脱出・腫脹・疼痛・出血の起こる痔核を切除し、痔核根治の流入血管を結紮(糸でしばる)する手術です。
傷は溶ける糸で縫うので、抜糸はありません。
手術時間:10~15分くらい
退院後は週1回の通院で、治りきるまでは約1ヶ月かかります。
「脱出を伴う内痔核」にジオン注を投与して痔に流れ込む血液の量を減らし、痔を硬くして粘膜に癒着・固定させる治療法です。痔核を切り取る手術と違って、痔核の痛みを感じない部分に注射するので「傷口から出血する」「傷口が痛む」というようなことは無く、入院期間の短縮も期待できます。
当院では、2泊3日(1泊2日)の入院加療をおすすめしています。
ジオン注の有効成分は硫酸アルミニウムカリウムとタンニン酸というものです。
硫酸アルミニウムカリウム・・・出血症状や脱出症状を改善する。
タンニン酸・・・硫酸アルミニウムカリウムの働きを調節する。
ジオン注はひとつの痔核に対して図のように4か所に分割して投与します。これは痔核に薬液を十分に浸透させるための方法で、四段階注射法といいます。
複数の痔核がある場合には、それぞれに投与します。投与後しばらく点滴を続け、麻酔の影響が無くなるまで安静にする必要があります。
投与後の早い時期に痔核へ流れ込む血液の量が減り、出血が止まります。
脱出の程度も軽くなります。
投与した部分が次第に小さくなり、引き伸ばされていた支持組織が元の位置に癒着・固定して、脱出が見られなくなります(1週間~1か月)。
その後、出血が見られなくなり、脱出や肛門の周りの腫れが無くなります。
慢性潰瘍化した裂肛部分を取り除き、正常のおしりの大きさに戻す手術です。
手術時間:10~15分くらい
退院後は週1回の通院で、治りきるまでは約1ヶ月かかります。
肛門に指を挿入して、狭くなった肛門を広げる方法です。切開は行いません。
裂肛の部分およびポリープや見張りイボを切除し、肛門の外側の皮膚の一部を移動して、
狭くなった肛門を広げる手術です。
肛門機能を温存し、腫脹の原因となっているろう管を切除する方法です。
傷は溶ける糸で縫うので、抜糸はありません。
手術時間:10~20分くらい
退院後は週1回の通院で、治りきるまでは約1~2ヶ月かかります。
瘻管を切開してそのまま縫合せずに開放する手術で、lay open法ともいいます。
肛門後方部であれば、括約筋を切除しても肛門の機能には影響しません。再発がほとんどみられない手術です。
括約筋を切断せず、なるべく傷つけないように行う手術です。
くりぬき法といって、瘻管だけをくりぬく方法などがあります。
瘻管の原発口から二次口へゴム糸を通して縛り、徐々に瘻管を切開して開放する方法です。肛門の変形が少なくてすみます。