痔の予防・治療には、便秘を改善し正常な便通を常に維持することが大切です。
3食規則正しく、バランスよく食べることを基本に、食物繊維の多い食品を食べるなどの食事の工夫や、腹筋の運動などで便秘を防ぐことが望まれます。
強くいきまなくてもスムーズに排便できて、トイレにいる時間が短時間ですむような排便リズムを作りましょう。
逆に下痢になりやすい方は、頻繁に排便することにより肛門周囲が腫れて痛み、痔ろうの原因となります。下痢が続くこともおしりを悪くしますので要注意です。
便秘は痔の大敵です!諦めずに、食生活や生活習慣を見直してみましょう。
1. 朝、身支度に時間をかけるため、「朝食ぬき」、「トイレあとまわし」の生活をしていませんか?
2. 朝の忙しさや、通勤中などで、便意があっても我慢していませんか?
3. 3食きちんと摂り、規則正しい生活リズムはできていますか?
(だらだら食いや間食のとりすぎはないですか?)
4. ファーストフードやカップラーメン、レトルト食品、おかし、肉類中心の食事で、野菜不足になっていませんか?
5. ダイエットによる食事量の不足はないですか?
6. 水分は十分に摂っていますか?
7. 仕事や人間関係、家庭の問題で、ストレス過多になっていませんか?
8. 運動不足で、筋力(腹筋)が衰えていませんか?(下腹ぽっこりになっていませんか?)
食物繊維は水分を吸収してスポンジのように膨れ上がるので、便のカサを増やしてやわらかくし、でやすい状態にしてくれます。食物繊維には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」があります。
<オススメ食品>
海藻類、きのこ、こんにゃく、豆類
野菜(ごぼう、オクラ、南瓜、蓮根、竹の子、とうもろこし、
ほうれん草、ブロッコリー、切干し大根など)
果物(キウイ、柿、パイン、りんご、バナナなど)
※食品ごとの食物繊維含有量をご覧になりたい方はこちらをご参照ください。
朝、目覚めにコップ1杯の水分を飲むことも有効です。一気に飲み胃が膨らむと、“胃結腸反射”により腸が動きだし、便意が起こりやすくなります。冷えやすい方や胃腸の弱い方はぬるま湯がオススメ。 (温めることで胃腸の働きが促進されます。) |
便のすべりをよくするためには油も必要です。 特にオレイン酸を多く含むオリーブオイルは大腸まで届くので便秘に有効です。 (キャノーラ油も比較的多くオレイン酸を含んでいます。) 1日大さじ1~2 杯が目安です。 |
腸には免疫機能の7 割が集中しているため、便秘予防だけでなく、免疫力がアップし、全身の健康につながります。 |
腹筋を鍛える運動や、普段から体を動かす習慣を作りましょう。 腹部マッサージで直接大腸を刺激することも、腸の運動を促します。 |
下痢時には、消化によい食材選びや調理方法により、腸への刺激を少なくすることが大切です。
規則正しく、バランスの良い食事が第一。その中で、脂っこい料理や香辛料、繊維の多い野菜、冷たい物、アルコールやカフェイン飲料・炭酸飲料などは腸を刺激して下痢を悪化させるので控えましょう。牛乳で下痢をする体質の方は乳製品にも注意しましょう。 |
腸への刺激が少なく消化の良いもの、栄養価の高いものを選びましょう。 便を適度な硬さに固める働きのある、すりりんごはオススメです。 |
主 食) 軟らかいごはん・うどん・白パンなどが◎
主 菜) 卵・白身魚・豆腐・脂肪の少ない鶏肉・軟らかい赤身の牛肉などが◎
主 菜) 脂肪の多い魚や肉類・そのままの形の豆類は消化に悪いので×
芋 類)里芋・じゃが芋は◎、さつま芋は繊維が多いので×
野菜類)かぼちゃ・人参・大根・ほうれん草の葉の部分などを軟らかく煮る、蒸すなどの
野菜類)調理法で◎ごぼうや竹の子・蓮根・コーンなどの繊維の多いものは×
果 物) りんご・バナナ・フルーツ缶詰は◎
果 物) 刺激の強い柑橘類・消化に悪い柿・パイナップルは×
下痢がひどい時には脱水症状をおこさないよう、水分補給も大切です。脱水予防にはナトリウムやカリウムも一緒に補給する必要があります。頭がボーっとしたり、体がだるいと感じるときは不足のサイン。
芋類やほうれん草などを軟らかく煮た味噌汁やスープなどは、水分とナトリウム・カリウムどちらも摂れてオススメ。
脱水症状の改善に適した経口補水液(OS-1など)も市販されています。
柑橘類やオレンジジュースは下痢を誘発しやすいので注意を。
慢性的に下痢が続く方は、精神的なストレスが影響する過敏性腸症候群かも?!食事に気を付けるとともに、日頃の緊張を和らげることが大切です。 映画や音楽、スポーツやドライブなど、リフレッシュする時間を作りましょう。 (中には腸の重大な病気の場合があるので、一度医師に相談を) |
腸内環境を整えることは、便秘や下痢の予防のみならず、全身の疾病予防効果も期待されます。
人体の中で消化管は、口腔から大腸まで、生命を維持するために必要な栄養素を体内に取り込む、最も基本的な臓器です。
生活習慣の悪化、心身のストレスやバランスの悪い食生活は、胃腸の病気を引き起こす大きな要因となります。
胃腸を快適に保つためにはまず、規則正しい生活習慣と食事を心がけましょう! そして、「プロバイオティクス」や「プレバイオティクス」の摂取により、腸内細菌叢をコントロールし、便秘や下痢、過敏性腸症候群などの改善効果が期待できます。
「消化管内の細菌叢を改善し、人体に良い影響を与える生きた細菌」
ビフィズス菌・乳酸菌・納豆菌などの生菌製剤、ヨーグルトなどの発酵乳
整腸作用、抗感染作用、炎症性腸疾患の抑制作用、免疫調整作用、抗アレルギー作用、抗癌作用、コレステロール低下作用などの報告あり
生きた菌だけではなく、菌自体に良い効果があるものもあり、死んだ菌もプロバイオティクスに含める考えもあるようです。
「大腸内で有益菌の増殖を促進し、有害菌の増殖を抑制することにより、人体に良い影響を与える
難消化性の食品成分」
日本では、8種類のオリゴ糖と3種類の食物繊維が特定保健用食品の成分として認可。
フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ラクチュロース、大豆オリゴ糖、
乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ラフィノース、
難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアガム分解物
腸内細菌は腸管免疫と深く関与しているだけでなく、全身にも作用しており、全身の疾病予防効果も期待されています。
(ヨーグルトは1日 100gが目安)
★便通に特化した商品なんかも色々出ていますよ!
植物性乳酸菌でできるぬか漬け・納豆・味噌なども酸に強く腸まで届くプロバイオティクス食品です。
しかしこれらはあくまでも食品ですので、薬のような即効性はありません。
「毎日続けて摂取することが大切です。」
人によって合う商品、合わない商品がありますので、最低1週間まずは試してみましょう!
効果が実感できたものを毎日続けると良いですね。