痔の予防・治療には、便秘を改善し正常な便通を常に維持することが大切です。
3食規則正しく、バランスよく食べることを基本に、食物繊維の多い食品を食べるなどの食事の工夫や、腹筋の運動などで便秘を防ぐことが望まれます。
強くいきまなくてもスムーズに排便できて、トイレにいる時間が短時間ですむような排便リズムを作りましょう。
逆に下痢になりやすい方は、頻繁に排便することにより肛門周囲が腫れて痛み、痔ろうの原因となります。下痢が続くこともおしりを悪くしますので要注意です。
毎日排便がある方でも、便が硬く、排便困難、残便感がある状態なら便秘といえます。
食物繊維は水分を吸収してスポンジのように膨れ上がるので、便のカサを増やしてやわらかくし、でやすい状態にしてくれます。食物繊維には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」があります。
※痙れん性便秘の人は強い刺激を防ぐため、不溶性食物繊維の摂りすぎに注意しましょう。
細かく切ってやわらかく煮込む、よくかんで食べるなどの工夫で腸への刺激が弱まります。
間食をする場合も、時間を決めてとりましょう。
牛乳や野菜ジュースもGood
※痙れん性便秘の人は、お茶かホットミルクに。
水分を摂ることは大切です。朝以外にもこまめにとりましょう!
食事にはスープやみそ汁を必ずとり、10時・15時・入浴後に
ティータイムを。
朝は余裕をもって起き、朝食をしっかりとりましょう。
オススメは、具だくさんのみそ汁
(パンならスープ)、フルーツヨーグルト。
簡単に食物繊維と水分がとれます。
夜のうちに準備すれば、忙しい朝でも大丈夫!
小さな便意ものがさずに、
必ずトイレに行きましょう。
まずは主食をごはんに。胚芽米や玄米にかえると、効率的に食物繊維がとれるのでオススメです。(※痙れん性便秘の人は、やわらかく炊いたごはんに)
生ではたくさん食べられません。ごはんにプラス、野菜・豆類・海藻・きのこなどを組み合わせて、スープ、煮物、炒め物などを取り入れましょう!
(※痙攣性の人は控えめに)
大腸まで届く、
オリーブオイルがオススメ。
善玉菌を増やし体の免疫力を高
める、消化吸収を助ける、腸内
の悪玉菌を抑えるなどの働きで、
腸内を元気に
保ちます。
豆腐や納豆をはじめ、大豆やあずき、そら豆、枝豆、グリーン
ピース、ゆばやおからなどの豆類は、高食物繊維、高栄養食品!
(※痙れん性便秘の人は、消化の良い納豆がおすすめ)
ひじき、こんぶ、わかめ、のりなどの海藻類も
食物繊維が豊富なうえ、カルシウムやミネラルが
たっぷりのバランス食品です。
プルーン、アロエ、ごま、ドライフルーツ、いも、かぼちゃ、オリゴ糖など
★おなかぐるぐるマッサージ
*まず、最低2週間は続けてみてください。効果がでないときは、やりかたをもう1度見直しましょう
下痢時には、消化によい食材選びや調理方法により、腸への刺激を少なくすることが大切です。
精神的な影響や不規則な生活などによる腸のトラブルで起こる下痢
不安や緊張、過労などの心身のストレスから自律神経のバランスが崩れて起こる。腹痛や腹部の不快感を伴う下痢が続いたり、便秘と下痢が交互に続くこともある。ストレスの解消、食事の改善がポイント
腸の病気や他の内臓疾患などが原因で起こる。原因疾患の治療が最優先となる
症状で一番多いのは血便。ついで便秘や下痢といった便通異常がある。早期のものは症状がないので、大腸の定期健診を心がけて
大腸の粘膜に炎症が起きる病気。若い世代に多く、長い年月にわたって下痢と腹痛が続く。粘液や血液の混じった下痢便が特徴
消化管のどこにでも粘膜のただれや潰瘍ができる難治性の病気。腹痛と下痢から始まり、やがて発熱、血便、貧血なども見られる
吸収不良症候群や、肝臓病、糖尿病、アレルギー性疾患、泌尿器の炎症、神経性疾患などがあっても下痢に
細菌やウイルス、原虫に感染して起こる下痢。一刻も早く医師の手当てをしないと命の危険もあるので、下痢とともに発熱、腹痛があるときはすぐに病院へ。
水様便に血液が混じったり、激しい腹痛、
発熱、吐き気などを伴う
粘液や血液が混じった下痢便、激しい腹痛を伴う。潜伏期間は1~4日
風邪のウイルスによって腸の粘膜が炎症を起こし、下痢を引き起こす
激しい下痢と嘔吐で、数時間で強い脱水状態に。潜伏期間は2~3日
暴飲暴食や寝冷え、特定の食品に対するアレルギー反応などによって起こる。発熱はなく突然の腹痛と下痢が特徴。脱水がひどくなければ、なるべく下痢止めは使わない。
サバやえび、かになどの魚介類や卵など、ある特定の食品を食べることで下痢を起こす。一度アレルギーテストを受けておくと安心
アルコールや脂っこい食事は便をゆるくする働きがあるため、大量にとることによって下痢を引き起こす。暴飲暴食でも下痢に
牛乳に含まれている乳糖を分解・吸収するためのラクターゼ酵素が欠乏したり、不十分な人は下痢を起こす
突然下痢を起こした場合、脱水症状を起こさないように、水分補給をすることが大切です。「飲んだだけ出てしまうから」、と飲まないのは間違いです。
ひどい下痢の時は1~2日間絶食して胃腸を休めます。そして、薄い番茶やぬるめの水などを少しずつ、何回も飲みましょう。
またりんごには、便を適度な硬さに固める働きがあるため、すりりんごがおススメです。
下痢が落ち着いたら、お粥などのやわらかく消化のよいものから食べましょう。
お酒や冷たい物、香辛料や脂っこいもの、繊維の多い野菜は避けてください。
過敏性腸症候群をはじめ、慢性下痢の人は体力低下を防ぐために、腸をいたわりながら栄養を十分に確保する食生活を心がけることが大切です。ポイントは、腸への刺激が少なく、消化のよいもの、栄養価の高い食品を選ぶこと。
そして、よく噛んで食べることです。
腸の働きが過敏になっている過敏性腸症候群の場合特に、脂っこい料理や辛いもの、繊維の多い野菜、アルコールや炭酸飲料などは制限しましょう。ただし、お酒は心理的な緊張を和らげる働きもあるので、少量なら良いでしょう。カフェイン飲料も同様に、薄めのコーヒーやミルクたっぷりのカフェオレ・ミルクティーなどにするとよいでしょう。
また、何か気分転換になる趣味をお持ちですか?
日頃の緊張を和らげることは症状の改善に役立ちます。
映画や音楽、スポーツやドライブなど、好きなことをする時間を作るとよいでしょう。
腸内環境を整えることは、便秘や下痢の予防のみならず、全身の疾病予防効果も期待されます。
人体の中で消化管は、口腔から大腸まで、生命を維持するために必要な栄養素を体内に取り込む、最も基本的な臓器です。
生活習慣の悪化、心身のストレスやバランスの悪い食生活は、胃腸の病気を引き起こす大きな要因となります。
胃腸を快適に保つためにはまず、規則正しい生活習慣と食事を心がけましょう! そして、「プロバイオティクス」や「プレバイオティクス」の摂取により、腸内細菌叢をコントロールし、便秘や下痢、過敏性腸症候群などの改善効果が期待できます。
「消化管内の細菌叢を改善し、人体に良い影響を与える生きた細菌」
ビフィズス菌・乳酸菌・納豆菌などの生菌製剤、ヨーグルトなどの発酵乳
整腸作用、抗感染作用、炎症性腸疾患の抑制作用、免疫調整作用、抗アレルギー作用、抗癌作用、コレステロール低下作用などの報告あり
生きた菌だけではなく、菌自体に良い効果があるものもあり、死んだ菌もプロバイオティクスに含める考えもあるようです。
「大腸内で有益菌の増殖を促進し、有害菌の増殖を抑制することにより、人体に良い影響を与える
難消化性の食品成分」
日本では、8種類のオリゴ糖と3種類の食物繊維が特定保健用食品の成分として認可。
フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ラクチュロース、大豆オリゴ糖、
乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ラフィノース、
難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアガム分解物
腸内細菌は腸管免疫と深く関与しているだけでなく、全身にも作用しており、全身の疾病予防効果も期待されています。
植物性乳酸菌でできるぬか漬け・納豆・味噌なども酸に強く腸まで届くプロバイオティクス食品です。
しかしこれらはあくまでも食品ですので、薬のような即効性はありません。
「毎日続けて摂取することが大切です。」
人によって合う商品、合わない商品がありますので、最低1週間まずは試してみましょう!
効果が実感できたものを毎日続けると良いですね。